私は、とても怯えていた。
薄い壁を隔てて、誰かが私を見張っているような、 そんな恐怖感がおわかり頂けるだろうか。 時には、その壁をさすっているような薄気味悪い気配。 また、ある時はまるで私に囁きかけるような話し声。 私は恐怖で、部屋に閉じこもっていた。 そして、ついには、とんでもないことが……。 とうとう、何枚かの写真を撮られたようだ。 壁を隔てた隣からの話し声でわかった。 「可愛い女の子だよ。」 「こっちは、右側から撮ったヤツだ。」 「あははは、可愛いお尻だ。」 な、なんと言うことを。 それも、どうやら言葉にするのも恥ずかしい、 私の丸裸の写真のようだ。 私は恥ずかしさで耳まで真っ赤になっていた。 もう我慢できない。ここから出ていこうと思った瞬間 扉をノックする音が。 そして、扉が少し開いた。 「おいで、出ておいで。頑張っ出ておいで。」 その声を最後に、私はなにもわからなくなった。 ただ、息もできないような苦しさだった。 でも、声のする方へと必死に頑張ったような気がする。 背中を叩かれ、私はハットして思い切り泣いた。 「おぎゃー!」と 私は、丸裸だった。恥ずかしさで真っ赤になった。 誰かが、可愛い女の赤ちゃんですよと言った。
by haru123fu
| 2011-05-23 09:44
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Comments(12)
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りんさん
at 2011-05-23 16:50
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うわ~!これって、母親ならではの発想ですよね。
超音波で写真撮ってるのが、赤ちゃんには不気味だったのね。 ストーカーじゃないのにね^^ 楽しかったです。
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haru123fu at 2011-05-23 18:59
♪♪ りんさんへ
先月の事なんですが、左足がぞうさんの足みたいに腫れ上がって、 MRIやエコー検査をされたんです。検査の中では、エコーが一番楽って思っていたのに なんと、チョット触られるだけでも、飛び上がる痛さ! 超音波の技師さんは、ゴメンネ、ゴメンネと言いながら、 私は、大丈夫、我慢しますと言いながら、イターイ(叫!) おかげさまで、今は普通の足(どんな足だ?)に戻りました。 で、その時思ったのです。 その昔は、生まれてくるまで、男の子か女の子かわからなかったのに、 一番安全なママのお腹にいても、今はエコーで、あくびしてても 見られている。プライバシーの侵害と、赤ちゃんは思ってるかもってね。(笑)
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ヴァッキーノ
at 2011-05-23 21:02
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ボクは、アドバイスみたいなことは、あんまりしないんですけど、オチがわかるかわからないかギリチョンのとこで、ガツンとオチを持ってきて終わってもらいたいと、思ったので、
書きますと、 >そして、扉が少し開いた。 で、 >おぎゃー! おしまい。 のほうが、すっきりとするんじゃないかって思うんです。 どうでしょうね? 扉が開いたら、もうできるだけ早くオチにいったほうが、読者の驚きが増すって気がするんですよ。 と、それっぽいこと書いちゃいましたけど たまに。
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haru123fu at 2011-05-23 21:29
♪♪ ヴァッキーノさんへ
なるほど、なるほど。うん。うん。ショート・ショートの極意ですね。 いつも、ありがとうございます。 なるほどなー!「おぎゃー!」って泣き声は赤ん坊にしか使わないですね。 「おぎゃー」=赤ん坊の法則だ!(*^.^*)
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矢菱虎犇
at 2011-05-23 22:28
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理科の時間、植物の受精を習うときに必ず出てくる被子植物の断面図、あれってなんとなく子宮の図に似ていますよねぇ。それでボクはなんとなく絵を見てはは~んなんて思っちゃいました。
それにしても、自分の身体の中に別の人間がいるっていう感覚、男性には絶対わからない感覚ですねぇ。
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海野久実
at 2011-05-24 00:27
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このお話のアイデアは、いろんな料理の仕方があると思うんですね。
赤ちゃんの誕生をもっとメルヘンチックに描くとか、残酷な目で描くとか。軽く明るく描くとか。軽く暗く皮肉っぽく描くとか。 読み終わって、ちょっとコメントが思いつかなかったんですが、そういう方向性がはっきりしていないからかもしれないなんて、ちょっと思ってしまいました。 怯えている主人公、裸の写真を撮られる、そんな事が続いてオチになるわけですが、これは軽く終わらせるにはヴァッキーノさんのおっしゃってる感じがいいと思います。 残酷な方向に持っていくには、生まれた赤ん坊のこれから待っている悲しい運命を予感させて終わると言うのもありかな。 幼児虐待とか今の世相を反映してね。 haruさんのこの結末はちょっと赤ちゃんの明るい未来を感じさせます。 ちょっとだけ(笑) 明るい未来を感じる割に、赤ちゃんが抱く不安がなんか現実的で、生な感じなんですよね。 そういう感じにするには、お母さんの笑顔と涙、立ち会っている優しそうなお父さんの喜ぶ姿とかを見て、赤ちゃんが安心すると言うところまで書くとか。 そういう方向を決めて書くと切れのいい作品になると思います。
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haru123fu at 2011-05-24 14:55
♪♪ 矢菱虎犇さんへ
あれれ、やっぱ画像でわかられてしまいましたね。 結構画像では苦労してるんですが。(笑) >男性には絶対わからない感覚ですねぇ。 と思って書いたのですが画像で見抜かれていたとは(汗・汗)
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haru123fu at 2011-05-24 14:59
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haru123fu at 2011-05-24 15:06
♪♪ 海野久実さんへ。
わーっ!すっごくたくさん考えてくれたんですね。(/ ^^)/アリガトデス! そっか、そんなようにお話を展開させていくといいんですね。 そうすると、海野さんのようにあふれるようにお話がどんどん展開すると言うことか。 あーっ!修行がたらんね。 実は、海野さんの「扉が開いた」に競作しようと企てました。 男性には子宮の扉が開くは考えつかないと思って。 ふう~っ。。。みごと撃沈されました。 よーし!次の手は……(思いつかないよ~涙)
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haru123fu at 2011-05-27 07:01
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