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男と女 <ショート・ショート>

カーテンの隙間から、輝くような朝の陽ざしが、
一直線に、寝ている男女のベッドの上を貫いていた。
男が起き上がって時計を覗く。
「ああ、もうこんな時間だ。」男は焦って身支度を調えている。
また巡って来た、とても重たい朝だった。

女は男に背を向け、横になったまま動こうとしない。
けれど、女の背中は、男の一挙一動を敏感に感じ取っているかのようだった。
男は、女に声をかけることもなく、慌てた様子で、身支度をしている。
一夜を共にした男女の朝とは、こんなものなのか。
朝だというのに、とても重く、淀みきったこの空気。

男は、そんな空気を吹き飛ばすかのように、カーテンを開けた。
女は、その眩しさに眉間にシワを寄せ、少しだけ顔を背けた。

男は思った。トントントントン弾むようなまな板を叩く包丁の音。
微かに感じる味噌汁の匂い。そんな気配で目覚める毎日の朝を。
「こんなはずじゃなかった。あやまちだった。」と。


女も、思った「あやまちだった。」と。
なぜ、こんなあやまちを、自分は犯してしまったのかと。

身支度を終え、男はドアノブに手をかけ言った。
「いいかげんに起きろよ。じゃ行ってくる。」
男は、会社に向かった。

女は、軽く伸びをして、「低血圧ですものしかたないでしょ。」
と、独り言をいった。「この結婚は、あやまちだったのよ。」
心でもう一度そう思った。

倦怠期を迎えた夫婦とはこんなものなのか。
互いに相手をいやだと思いながらも、
なにごともなかったように、朝は巡って来るものだ。


                                                           
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by haru123fu | 2011-02-28 10:25 | ショート・ストーリー | Comments(12)

茶色の家の白い窓

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                ねえ、ねえ、君は気づいていたかい?ほら、あの子。
                茶色の家の白い窓。いつも僕らをじっと見てる。
                ほら、あの子さ。あの子だよ。
                あの子はいつも、あそこにいるよ。
                僕らをじっと見ているよ。
                なにを想って、見てるんだろう?
                自由に空を飛べる僕らが、羨ましいの?
                それとも……
                僕らが寒そうで、かわいそうって?
                茶色の家の白い窓。ほら、ほら、じっと見てるだろ。
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by haru123fu | 2011-02-27 09:28 | 今日のわたし | Comments(6)

第一回 女子会開催される

f0227323_1158513.jpg近頃見つけた新しいお店『居酒屋いいのかな』で、女子会を開くことになりました。予約の電話で、ヴァッキーノさんの紹介だというと、店主の花田豊さんが出て、それなら、食べ呑み放題で、3,000円でOKとのこと。
ふふふっ女子会とは言っても本当にそれで「いいのかな?」

当然女子会ということで、女子だけの集まりです。
もちろん二次会は、『焼き鳥 虎犇』。
居酒屋へ行って、次に焼鳥屋。
女子会だもの、みんな別腹持ってますよー。

さて、本日の女子会参加メンバーをご紹介させてもらいます。
発想力とその豊かな文才で、りんのショートストーリーの管理人であるりんさん。
最近のお勧めは、「駄菓子屋強盗」[コメディー] 面白いのなんのって実に面白い。

お話の語り部もぐらさん。さとる文庫の管理人です。もぐらさんのおかげで朗読blogなるものがあることを知りました。最近のお勧めは、「ツイノベ4作品」目を閉じて聞くとまるで、自分が主人公になったように感じます。

人の心に春風を吹かせる春待ちりこさん。言葉探しの部屋の管理人です。最近のお勧めは、
「伝説のペーパードライバー」[エッセイ]です。最近あまり笑ったことが無いとお思いのあなた。
是非ぜひこちらへ訪れて見て下さい。楽しいこと請け合いますよ。

それに、もう一人、月寒のひつじの管理人harumimiさん。えっ!いえいえ、北海道だからってジンギスカン屋さんではありません。料理教室に通う素的な女性。私と一緒にマンホール探し隊を結成しております。当然、雪に埋もれた冬は休業中です。現在は活動準備に追われています。

ということで、今回の女子会のメンバーは……

うぅっ!誰も私の話なんか聞いてない。もうすっかり呑んだり、食べたりして、出来上がってる。
あーっ!もぐらさん寝てるよ。もぐらさん大丈夫?「うん。オレンジジュース飲んだら眠くなっちゃったぁ。ふぁー。」だ、誰、もぐらさんに酎ハイオレンジ飲ませたのは。

りんさんがみんなに「さぁ!みんな二次会に行くよ!焼き鳥虎犇へGO!」って、うそ、うそでしょう?
私、まだなんにも呑んでないし、食べてもいない。うっそー!!

私は急いでヴァッキーノさんに電話をする。「ねぇ。今から行くけど、砂肝と生ビールまだある?」
「うん。うん。大丈夫さ!但し、矢菱さんが、まだお休みだから、セルフサービスだよ。」
「他に誰か来てるの?」「ああ、雫石鉄也さんと、海野久実さんが、カウンターで、呑んでるよ。
きっとまだ誰か来ると思うけどね。」「へぇ~楽しくなりそうだね。急いで行くからねー。」

雫石鉄也さんは、文豪でありながら料理の達人。雫石鉄也のとつぜんブログの管理人です。
私なんかの質問にも優しくアドバイスをくださるので、とっても感謝しています。

海野久実さんは、小説に詩に漫画と、とっても多才で、まりん組・図書係の管理人です。
本格的小説を読みたい方は是非ぜひこちらへ。即興詩もとってもステキですよ。

ああ、いけない焼き鳥虎犇で、店番をしているヴァッキーノさん。これまでに誰もが足を踏み入れたことのないblogに挑戦しています。100人の登場人物による100話の交差点。上の画像もヴァッキーノさんが作製した画像をお借りしました。画像を2回クリックすると、ヴァッキーノさんのblogへひとっ飛び。


そして、我々女子会メンバーは、『焼き鳥虎犇』の暖簾をくぐる。
「チワー!まいどさんで~す。」まず、私はみんなに追いつくべく駆けつけ生ビール三杯。砂肝に
鳥精に豚精と、ひたすら食べては呑み、呑んでは食べ。こうなると人のことなんかかまっちゃいられない。

なんとか、私のお腹も落ち着いた頃、ふと見ると、海野久実さんがなにやらカウンターの隅っこで、
声をかけようとした私にヴァッキーノさんが、「シーッ。」って、人差し指を口に当てた。
「シーッ。」って……ああ、そっかー。詩をかいているのか。。。海野さんの詩素的だもなー!
あああ、雫石さんがもぐらさんにお酒つごうとしてる。ダメ!ダメ!
あああ、りこさんたら、harumimiさんは、ジンギスカン屋さんではないってば!

女子会も盛り上がりピークに達したかに見えたその時。 ヴァッキーノさんが、聞いてはならない一言を。

「ねぇ。ところでみんなで平均年齢いくつ?」

ジャジャジャジャァーン(ベートーベンの運命が流れる)

女子会メンバーの目がナイフみたいにキラリと光る。ああーっ!ヴァッキーノさんの運命はいかに。

その次の瞬間!女子会が一声に「わたし達……女盛りの23歳ダヨーン!( ̄ー ̄)ニヤリ」

その後のことは、ご想像におまかせいたします。。。

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いつもながら、了解も得ないで勝手にリンクを貼っています。040.gifごめんなさいです。
どなたのblogもとってもステキな世界です。ブルーで表示された文字をクリックするとその方のblogへ飛んでいきます。是非ぜひ訪ねてみてくださいね。(o^-^o)ヨロシクデス
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by haru123fu | 2011-02-26 10:08 | ショート・ストーリー | Comments(18)

にゃんともうしましょうか?

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などと、そんな会話をしているかどうかわかりませんが、猫ちゃんもチラホラ顔をだす陽気になってきましたね。
そんなことを、思っていたのに今日の雪。。。でもですよ・・・じーっと見ていると、小さな、小さな、ホントに小さなバレリーナが舞っているような雪の降り方です。
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by haru123fu | 2011-02-25 12:14 | 今日のわたし | Comments(8)

秋日の落ち葉

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最近?(もしかしたら、元々?)なにをするのも億劫になってきました。
きっと、ダラ~っと生きているからなのでしょうね。015.gif
こんなんじゃダメですよねぇ~。045.gif
難しすぎて、なかなか理解できないPCの分厚いマニュアル本。こんなことではダメじゃん!と、
また、開いてみると、去年の秋に拾った落ち葉が、しっかりと押し葉になって挟まっていました。
あららら、こんなことに利用していた。041.gif
利用方法は、ともかくとして、去年の秋の思い出が、葉の一枚一枚に蘇ってきました。037.gif
さっそく、blogにUPしてっと。でもよく見ると周りが汚い。手抜きだなぁ~と思いながらも、
そのままUP。こんど綺麗にすればいいかなぁ~なんて、こんどとお化けにはあったことない。
あっ!お勉強しようと思ったのに、また、丁寧に押し葉を挟んで本を閉じてしまいました。023.gif
どうやら、今日もまた、ダラ~っとした、いつもの一日になりそうです。014.gif
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by haru123fu | 2011-02-24 10:08 | 今日のわたし | Comments(8)

小さな声 <ショート・ショート>

f0227323_10205399.jpg草木も眠る丑三つ時。小さな、小さな話し声が聞こえてきました。

「私このごろ思うんだけど、あんた上手にサボってるよね。」
「はぁ~!私サボってなんかいないわよ。」
「そうかなぁ、絶対に私の方があんたより働かされていると思うわ。」
「そんなこと、あるわけないじゃない。同じに働いているじゃない。」
「いや、絶対にあんたは、サボっているよ。」
「なにを根拠に、そんなこと言いだすのよ。」

小さな、小さな話し声は、どうやらケンカをしているようです。

「うるさいなぁ。」別の声がしてきました。
「なんで、僕たちみたいに仲良く出来ないかなぁ。」
「だって、この子ったら、私にばかり働かせて、自分はサボってるのよ。」
「そんなのウソだわ。私はサボったりしてないのに。」
「まあ、まあ二人とも……」

小さな、小さな話し声のケンカに、どうやら仲裁する声が現れたようです。

f0227323_1052695.gif「なぜ君は、この子がサボっていると思ったんだい?」
「だって、私はいつも右側にいるのよ。」
「わたしだって、左側にいるじゃない。」
「だからサボっているって言ってるのよ。」
「左側にいるからって、サボっているってことにはならないじゃない。」
「右側とか左側とかそんなことでケンカしないでくれよ。」
「そうだよ、僕らのように、互いに助け合ってこそなんでも上手くやれるんだよ」

右手は、両足の言うことはもっともだとは思いましたが、なにか釈然としません。

「いいかい、右手さん。君はとっても良く働いているけど、左手さんの助けがいつも必要だろう?」
「お箸を持つときは、左手さんがお茶碗を持ってくれるじゃないか。」
「そうだ、こう考えたらどうだろうか。右手さんが主役で左手さんが脇役って。」
これには、左手もおもしろくありませんでした。
「なんで、私が脇役なの?そんなの失礼だわ」
「そうよ、そうよ、左手さんが、可愛そうじゃない!PCのキーボードを打つときなんか私達とっても協力し合って働いているのに。」
さっきまで、左手に文句を言っていた右手までが、そう言いだしました。

あらあら、今度はケンカの矛先が、両足の方へ向かいました。
しかたがないので、お人好しの両足は「ごめん、ごめん。」と両手に謝りました。
起こされた上に謝ることになったお人好しの両足は、仲がいいからケンカするとはこのことか。
と、つくづく思いました。

朝、起きたときに、とっても手足が重くて動きづらいと、感じることはありませんか?
草木も眠る丑三つ時。小さな、小さな、声で、あなたの両手足がケンカしているのかも知れませんね。
えっ?左利きの場合……? 仲良し同士のケンカの仲裁は、私はごめんですよ。
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by haru123fu | 2011-02-23 10:22 | ショート・ストーリー | Comments(6)

はとぽっぽ

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           今日もとってもいい天気ですね。最高気温が+6℃にもなるとか。。。058.gif
           お日様でぽっかぽかです。雪解けも一段と進でしょうね。

           光星公園には、鳩がたくさん。電線の上にも下にも鳩がたくさん。
           どんなに厳しい寒さにも、必死で耐えて頑張った小さな命に春がきますね。

           野良猫も時々顔を出すようになりました。もう少しですね。あともう少し。
           春の気配を感じさせてくれるような今日のお天気です。056.gif
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by haru123fu | 2011-02-22 13:24 | 今日のわたし | Comments(2)

いい女(ひと) =後編= 

前編よりつづく
f0227323_1005745.gif外で、子どもの声がした。優子は、また立ち上がって窓の側へ。
「ああ、木村さんのお孫さんが、遊びに来てるのね。」と呟いた。

ある日のこと、良子が自転車で買い物に出かけた帰りに、
         近所の横山さんが、庭で植木に水やりをしていた。
         自転車から降り、横山さんに挨拶した良子に、
         「ちょっと寄ってお茶でも飲んでいかない?」と横山さんが誘ってくれた。

気軽にその誘いに応じ、小一時間ほどのたわいもない世間話から、
横山さんも良子と同様に若いとき同じ作家さんのファンであることを知った。
どちらかというと、引っ込み思案で、読書が趣味の良子。
横山さんも若いとき同じ作家さんのファンで、趣味が読書だと知り、嬉しかった。

買い物帰りなどには、ごくたまに横山さんの家に寄るようになった。
話題はいつも、昔読んだ本や最近の本の話で、盛り上がっていた。
だが、なぜか横山さんが良子の家に来ることはなかった。
その頃から、良子はいつも誰かに見られているような気配を感じる様になっていた。
でも、振り向くと誰もいない。良子は自分の気のせいだと考えていた。

そんなある日、優子がやって来て、思わせぶりな様子で、
「先週の金曜日どこへ行っていたの?」と良子に尋ねる。
「う~ん。たぶんスーパーへ買い物だと思うわ。何かあった?」と聞く良子。
優子は憮然とした様子で、「違うでしょう?」という。「午後2時10分よ!」
とつけたした。
良子は考えてみるが、スーパーへの買い物以外に思いあたらない。

そんな風に時間を言われても……。
そして、良子は思い出した。買い物の帰りに横山さんの所に寄ったことを。
「ああ、横山さんの所で、おしゃべりしていたかな?」
すると、優子はまるで不満でもぶつけるかのように、
その日のその時間、横山さんの家の前に良子の自転車が止まっているのを見たと言う。

「あら、なにかご用でもあった。それなら声をかけてくれたら良かったのに。」と言う良子に、
優子はしつこくなぜ、自分の所に来ないで、横山さんの所へ行ったのかと憤りをあらわにした。
良子には、意味がわからなかった。特に優子をないがしろにしたわけではなかった。
たまたま、偶然に買い物帰りに挨拶し、
若い頃、自分も横山さんも、太宰治の本にはまっていたと知って、
話をするようになったとのいきさつを話した。

すると、優子の口から思いもしない言葉が出た。
「あなたが太宰治のファンだったなんて、私は、知らなかったわ。横山さんだって。」
ファンとは言っても、芸能人のファンみたいに、キャーキャー騒いでいたわけではなく、
ただ読んだ作品の感想を話していただけだ。いちいち優子に報告するような話でもない。

不思議に思った良子は、「あなたも太宰治の本好きだったの?私は斜陽がとっても面白かったわ。」と聞いてみた。優子は、そんな本は読んだこともないと答えたきり、なにも話をさず、ただじっと座って動かなかった。重い沈黙がつづいた。気まずい空気に、耐えきれず良子は謝った。「あなたに知らせて無くてごめんなさいね。」と。

ようやく優子は気分を直して帰ってくれた。
良子には、訳がわからなかった、別に優子に悪いことをしたわけではない。
ただ、気まずい空気から逃れたくて、謝っただけのことだった。

そう言えば、良子に思い当たる節があった。お茶に誘われたとき、いつも話をするのは優子だった。町内の人のお世話をいかに自分がしているのかを、得意げに話していた。
良子が感心するほど色々な家庭の事情をよく知っていた。そして、彼女は、自分がお世話してあげたことに、なんのお返しもしてくれない人もいると不満を言っていたこともあった。

良子は悟った。優子は誰よりも真っ先に他人のことを知っていたかったのだ。
それが、優子の自慢でもあった。みんなに、あの人はいい人だと言われたかった。
知り合いに不幸があると、真っ先に駆けつけ涙をながす。
そんな時の優子はとても活き活きとしていた。

お茶に誘われて、お邪魔しているときも、彼女のアンテナは張り巡らされていた。
外で、音がする度に、席を立ち窓から確認していたのだ。それが、彼女の性格だと気づいた。

そして、恐ろしいことに、今の優子の一番のターゲットになっているのは自分だと気がついた。
優子には、自分の知らない良子があってはならなかったのだ。
そう考えると、横山さんが、良子の家に来ることがなかったのも頷けた。

優しい子と書いて、優子。彼女はいい人だ。
と、思っていた良子はまちがっていた。字が違っていたのだ。
憂いの子と書いて、憂子。彼女はその字のごとくストーカーのような存在だった。

ピンポ~ン。玄関のチャイムがなった。
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インターホンの画面には、野菜を抱えた憂子が立っていた。

                                                             《おわり》 
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by haru123fu | 2011-02-21 10:11 | ショート・ストーリー | Comments(8)

いい女(ひと) =前編= 

彼女はとってもいい人だ。
ゴミステーションの掃除や、町内会の集まりには、率先して出かけて行く。
庭の畑で野菜を作り、隣近所に配って歩く。
彼女は、いつも周りを気づかういい人だ。
子どもが、危ない遊びをしていると注意をし、
放置自転車があると、交番に連絡する。

彼女はとってもいい人だ。
夫想いで、子ども想い。友人をよく自宅に招きお茶を振る舞う。
頼まれごとがあると、すぐ引き受け頑張る。
相談事を持ちかけられると、快く相談にも乗ってやる。

彼女は、とってもいい人だ。
彼女の名前は、ゆうこ。優しい子と書いて優子。

良子が、そんな優子の家の隣りに引っ越してきたのは一年前。
優子は、新参者の良子になにかと世話を焼いてくれた。
いつしか、二人は親友のように親しくなっていた。

お隣に住む良子は、今日も優子に誘われて、
優子の家で、コーヒーをご馳走になっていた。
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穏やかな昼下がり、庭では、洗濯物が風にゆらゆら揺れている。

外で、車の音がした。優子は、すぐさま立ち上がって窓の外を見る。
優子の家は、見晴らしの良い角地に建っていた。
表通りから住宅街へ入ったすぐに三叉路に別れる角地。
表通りから住宅街に入るにはこの角を抜けるのが一番たやすい。

戻ってきた優子が良子に告げた。
「山田さんのご主人だったわ。お隣に乗っていた人誰かしらね?」
優子は首をかしげる。一度も見たことのない人物だという。

少し、考えている風だったが、良子が、「そんなこと、誰でもいいじゃない。」
と言うと、「そうね。」と答えて、コーヒーカップを口に運んだ。

たわいもない話が、つづく。どこの誰がどうだとか、こうだとか。
良子のよく知らない人の名前ばかりだが、町内の住人のことだから、
少しでも、町内会に馴染むためにも、
ここは優子の話をきちんと聞いておかなくてはと、
良子は頷きながら、コーヒーを口にした。

《つづく》
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          少しお話が長くなりそうな気がするので、前編・後編に分けさせてもらいます。
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by haru123fu | 2011-02-20 13:53 | ショート・ストーリー | Comments(4)

鳩がいた

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      鳩がいた

      早朝の 電線に 鳩がいた
             
                たくさん 並んで 鳩がいた

                たくさん たくさん 鳩がいた

                いつもの カラスは 一人ぼっち

                いつもの 屋根の アンテナのてっぺん

                たった一羽で アンテナのてっぺん

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by haru123fu | 2011-02-19 07:16 | 今日のわたし | Comments(6)