<   2011年 04月 ( 22 )   > この月の画像一覧

危機管理!だろうか?<ショートストーリー>

f0227323_16593158.gif
                          ▲早朝の朝霧 茨戸にて

「死ぬときは、畳の上で死にたい。」それが私の願いだった。
長い闘病生活で、私は娘にそんなことを言っては、
「そんな弱音をはかないで。」とよく娘に怒られたものだ。

「お父さん!お父さん!」と呼ぶ娘の声で、私は目を開けた。
もうろうとはしていたが、心配そうな顔で私の手を取って、
今にも泣きそうな娘の顔がそこにあった。

私を自宅に連れ帰ってくれた娘に感謝を伝えたかったが、
どうやら私の声はもう言葉にはなっていないようだ。

そして娘の他に、もう一つ、
私の顔をのぞき込むように見ている痩せこけた男の顔があった。

時々目を開けると、見たことのないその顔が私をのぞき込む。
その人物はどうやら私の枕元に座っているようだ。
何度となく目が合った。「誰だ?こいつは?」と思うのだが、
娘に聞いても、私の声は言葉になっていない。
そして、どうも娘にはそいつの姿は見えていないようだ。
「とうとう、幻覚を見るようになったか。」と思った。

しかし、私が目を開く度に娘と一緒にそいつが私の顔をのぞき込む。
たまに、そいつは私の枕元で寝そべったりもしているようだ。
私が目を開くと慌てて起き上がって私の顔をのぞき込む。

もうろうとした頭で、ある古典落語を思い出した。
死神が枕元に座っていると死期が近い。足下なら呪文を唱えるとまだ助かる。
「ああ、そうか死神だったか…」私はそう思った。

死神が私の顔をのぞき込んだその時、「もう、時間かい?」と私は聞いた。
「ああ、そうだ。」と死神が答えた。
死神には、私の声が聞きとれるのだと、ちょっと驚いた。
だがすぐに、「そうか、もうあの世とやらに片足つっこんでいるのか。」
f0227323_23323794.gifと妙に納得した。

娘はと見ると、かわいそうに疲れ果てて、
私の布団の端で、崩れたような形でうとうととしている。
私が死ぬと、この子は一人ぼっちになってしまう……。

「なあ、死神さん、ちょっと頼みがあるのだが、
私のこの世の最後の頼みを聞いてはくれまいか。」
「聞いてやりたいが、もう時間だ。」と死神が答える。

「いや、時間をとらせやしないよ。
ちょっと足の裏をかいてもらいたいだけさ。
もう痒くて、痒くて、このままあの世へ行ったなら、
ずっと痒いままで成仏できそうにもないんだよ。」

「ちょっとだけだぞ、もう時間だからな。」死神は、私の足下へ行った。
今だ!私は急いで呪文を唱えた。
 「あじゃらかもくれん、きゅーらいそ、てけれっつのぱ」 
最後の最後、全身の力を振り絞りパンパンと手を叩いた。




さて、それでどうなったかと?
それは、皆様のご想像におまかせ致しますとも。
なにせ、このたぐいのお話は、信じるも信じないも、あなたしだいなもので。
もう、おあとがよろしいようで。。。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-28 23:53 | ショート・ストーリー | Comments(18)

エンジェルリング

f0227323_186054.gif
4月26日午後5時30分札幌の空の太陽です。あのね、エンジェルリング032.gifを見つけました。
太陽の回りに金色に輝くリングです。自分で勝手に「わー!エンジェルリングを見つけた!」って思いました。
春だというのに、少し体調を崩し、なかなかblog更新ができません。
薬の副作用なのか一日中うつらうつらとしています。それでなくても、ボーッとした私なのにね。037.gif
桜が咲くまで、あともう少し、それまでには……と気合いを入れてます。
皆様のblogへのコメントも滞りがちですが、でもいつも拝見しています。応援しています。
色んなところへ出かけて行って、美しい北海道の初夏をお届けしたいと願っています。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-26 18:48 | 今日のわたし | Comments(10)

見直してみよう防災グッズ

f0227323_16435282.jpg
もぐらさんのblog「土竜の只今準備中」で、100円均一で用意できる防災グッズが紹介されていますよ。
もぐらさんは、阪神淡路大震災を経験され、今回の東北大地震のことも大変心配されています。
 「へでツッパル、その前に」 ぜひともご覧になり参考にしていただけたらと、ご本人の了解も無しで紹介させていただきました。▲ こちらをクリックするともぐらさんのblogへひとっ飛びです。
056.gifいつもながらの勝手なリンクごめんなさいです。
もう少しましなポスターができるかと思ったのですが、なにせマウス頼りなもので……ぶつぶついいわけです。
(だからって、タブレットが有っても同じだべさ……あ、そうね! ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ )
[PR]
by haru123fu | 2011-04-23 17:09 | 今日のわたし | Comments(8)

ランナー<詩>

私の書く初めての詩です。むかしから詩なんて書いたことのない私です。(ガラじゃないよね。)
今日は、思い切って詩を書こうとして書いています。でも、詩になっているのかどうか?
そんなこともわからない015.gifでも自分で『詩』と言えばそれで詩なのかなあ?037.gif



悲しみと幸せはいつも追いかけっこ
校庭のグランドに引かれた白線で ヨーイドン
私は走る 走る 走る
f0227323_10443926.gif
悲しみを追い越して幸せになってやる
私は走る 走る 走る
あっ 抜いたぞ 私は抜いた
悲しみを抜いてやった
悲しみは悔しそうな顔して私を追いかけてくる

幸せは まだ 私の前を走っている
負けるものか 負けるものか
私は走る 走る 走る

幸せは今 どうやら私の横を走っているようだ
私は走る 走る 走る
それでも 私は走る 走る 走っている

私は今 幸せを追い抜いた
私の前には もう誰もいない
幸せも悲しみも私の後ろを走っている

抜け殻になった私は それでも走っている
どうする?どうすればいい?
走れ 走れ 走れ

なにも見るな なにも感じるな 
私は もう自由だ 
悲しみと 幸せと 自由になった私が走っている
走れ 走れ 走れ もっと走れ

走れ 走れ 走れ もっと走れ 私はもう自由だ
[PR]
by haru123fu | 2011-04-21 11:25 | | Comments(10)

サマータイム・ブルースを聞きながら

忌野清志郎&RCサクセションのサマータイムをユーチューブで観賞しています。
もう今は亡き忌野清志郎氏。私が初めて見たのは札幌市民会館でした。(札幌市民会館も今はもうないよね。)
この曲は、今から20年も前に作られた曲です。PCをフルスクリーンにして見ると躍動感が伝わって来ます。
まるで、今を予言しているような歌詞なので、歌を聴きながら歌詞を写してみました。
最後の方で、オレは癌でしにたくねー!って叫んでいる。涙がこぼれてきます。

f0227323_21124758.gif暑い夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため
狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる
東海地震もそこまで来てる
だけどもまだまだ増えていく
原子力発電所が建っていく
さっぱりわかんねえ、誰のため
狭い日本のサマータイム・ブルース

あくせく稼いで税金取られ
たまのバカンス田舎へ行けば
37個も建っている
原子力発電所がまだ増える
知らねえ内に漏れていた
あきれたもんだなサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い 
それでもテレビは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
                                         これが最後のサマータイム・ブルース

[PR]
by haru123fu | 2011-04-20 21:14 | 今日のわたし | Comments(2)

幸せを呼ぶ人<ショートストーリー>

「おじょうさん、お花をどうぞ。」
円い筒から赤い花が飛び出した。

「おじょうさん、こんなにキレイな青空の日は、
そんなに暗い顔をしていてはダメですよ。」

f0227323_12543179.jpg「ほら、見てごらんなさい。花壇には赤や黄色のチューリップが、
とっても可愛いでしょう?」

「さあ、笑って、私と一緒に笑ってみましょう。」

「悲しいことや、辛いことばかりを考えないで。」

「さあ、ほんのチョットでもいいから笑いましょうよ。」

「笑ってみると、なにかが変わるかもしれませんよ。」

ベンチに座っている私の前で、その男はおどけて見せた。

「あ、笑いましたね。ステキです。とってもステキな笑顔ですよ。」

私は青空を見上げてみた。本当にキレイな空だった。
気が付くとその男は肩を揺らしながらひょこひょこと歩いて行ってしまった。
その後ろ姿は、とんがり帽子に白地に赤の水玉模様の服を着ていた。
ピエロだった。幼い時にサーカスで見たピエロ。

ピエロはなにもしゃべりはしない。
けれど、そのしぐさで、言葉を伝えてくれる。

「ありがとうピエロさん。」
笑ってみると少しだけ、希望や勇気が湧いてきた。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-19 12:59 | ショート・ストーリー | Comments(11)

ろくでなし <ショートストーリー>

古い酒場のカウンター、入口を少し入って左横にそのカウンターがある。
その左隅のカウンターチェアーが、いつもの私の定位置だった。

女一人で行くような店ではないが、
私はなぜか、この店のこの椅子に腰掛け、酒を飲む。
ここに通うようになってから、すでにずいぶんと時が過ぎていた。

f0227323_18573399.gifさほど広くはない酒場だが、フロアーを囲むように、
壁際に4~5人のグループが座れるような5個のボックス席がある。
もちろんホステスなどはいない安酒場だ。

店の経営者であるマスターとママ、それに雇われているボーイが一人。

客はほとんどが3~4人のグループでやって来て、自分勝手に遊ぶ。
時々、マスターやママが、カラオケや踊りの相手をして場を取り持つ。
ボーイは忙しそうに注文の酒を運ぶ。

男も女も酔いが回ってくると別のボックスにいる相手にちょっかいを出し始める。
盛り上がってくると、一緒に来たであろうグループが入り乱れ、
ホールでは、初めて会ったばかりであろう男女がチークを踊っている。
中には、一緒に来たはずのグループから離れ、手に手を取って店を出て行く客もいる。

ありふれた、酒場の仮想恋愛とでもいうのか、
ほんの一時のアバンチュールを求めてでもいるのか。
都合のいいことに、こういう酒場の照明は薄暗い。

私は、このきちがい沙汰を背に、店主と世間話をしながらいつも酒を呑んでいるのだ。
もちろん、飲んだくれた客が私にちょっかいを出してくる時もあるが、
そんな時はマスターが追い払ってくれる。

それでもしつこく私の肩に手をかけてくるヤツには、とっておきの手がある。
幸いカウンター内の照明は明るい。
両手で顔を覆い、振り向くのさ。「いないいない、婆っ!」ってね。
あははは、まさか私が婆さんだとは思ってもいなかったようだね。



072.gif yayokuさん。さっそく使わせてもらいましたよ。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-17 19:10 | ショート・ストーリー | Comments(8)

この指と~まれ

f0227323_2021630.jpg
なにを写すあてもなく、ただ空を眺めてデジカメのシャッターを押したら、あらら、飛行機が写ってた。
なんだか、ちっちゃくてカトンボみたいだ。
人差し指立てて、「この指と~まれっ!」って言ったらなんだかホントに止まりそう。
今日は雨で、とってもうっとうしい天気です。こんな日は、気分もうっとうしい。
でもね、この時期の雨は、冬の間雪捨て場と化していた公園の雪を、一気に溶かしてくれるんだ。

なかなか、病気との折り合いががうまくいかない。毎週、毎週、検査、検査で病院通い。
面倒くさいけど、かといって入院はイヤだしなあ。もうちょこっと頑張ってみるか。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-16 20:28 | 今日のわたし | Comments(8)

いない いない ばあ<ショートストーリー>

「いない、いない、ばあ!」「いない、いない、ばあ!」
誰もが一度や二度はこのような動作を経験したことがあるだろう。

ここに一冊の絵本がある。
タイトルそのものが「いない いない ばあ」である。

内容はごく単純で手で顔を隠した動物が
「いない、いない、ばあ!」をする。

クマさんがほらね「いない、いない」
その時点では、クマさんは両の手で顔を覆っている。
次のページを開くと「ばあ!」とクマさんが両の手を広げて顔を出す。
0歳の子ども向け絵本だったと思う。

由美も母親に、赤ん坊の頃からなんどもこの本を読んでもらっていた。
f0227323_19564961.gif由美は、2歳になっても、この絵本が大好きだった。
ひとり遊びをしながら、
ねこさんが、ほらね、「いない、いない、ばあ!」
と言いながらページをめくる。

由美が3歳の誕生日を迎えたある日のこと、
母親もいつものように、由美と一緒に
「いない、いない、ばあ!」をして遊んでくれた。

今度はママが「いない、いない」と言いながらドアの向こうに隠れた。
由美はママが「ばあ!」をしてくれるのをドキドキしながら待っていた。

でもいくら待ってもママは「ばあ!」と顔を出してくれない。
不安になった由美が「ママ、ママ!」と呼びながら半べそでドアを開けた。
ところが、そこにママの姿はなかった。
その日から、いくら待ってもママが「ばあ」と顔を出すことはなかった。

もしも、このドアのむこうが突如現れた異次元世界への入口だとしたら、
由美のママは別の次元へと行ってしまったことになる。

人はいつかどこかで「いない、いない。」をする。
そして「ばあ!」と現れなかったとしたら、
きっと、突如現れた異次元世界へと足を踏み入れたことに……。

異次元世界への入口は、いつどこに現れるかは、誰も知らない。
ただ、そこは多分、人間が『あの世』と呼ぶ世界ではないだろうか。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-15 19:57 | 勉強中 | Comments(10)

白雪姫と魔法の鏡<ショートストーリー>

母親に何度も殺されかけた白雪姫も、七人の小人や王子様に助けられ、
王子様と結婚し、幸せな毎日を送っていました。

そんなある日、白雪姫様に贈り物が届きましたと、侍女達が大きな包みを持ってきました。
さっそく白雪姫がその包みを開けてみると、
なんと豪華絢爛な金銀や宝石で縁飾りが施された、それは、それは美しい鏡でした。

「なんて美しい鏡でしょう!」喜んだ白雪姫はさっそく自分の部屋の壁へその鏡を掛けさせ、
鏡に映る自分の姿を毎日ながめては、とても満足していました。
f0227323_1717389.gif
そんなある日、白雪姫はふと鏡に向かって尋ねてみました。
「鏡よ、鏡よ、鏡さん。世界で一番美しい女性はだあれ?」
するとどうしたことでしょう「それは、白雪姫様あなた様です。」
鏡が答えるではありませんか。

白雪姫はとても驚きましたが、
それからはひとりになると時々、鏡に話しかけるようになりました。

それから暫くして、王様が亡くなり王子様が国王様となられました。
もちろん白雪姫は王妃様となられました。
お二人の間にはお姫様も生まれました。
雪のような白い肌、花びらのような赤い唇、黒檀のように黒い髪。
それは、それは可愛らしいお姫様でした。
王様と、王妃様は、とてもお姫様を愛し可愛がり、幸せな毎日が過ぎていきました。

えっ!鏡はどうしたかと?
まあ、まあそんなに焦らないで下さいよ。
もちろん王妃様になってからも、時々
「世界で一番美しい女性はだれ?」と鏡に尋ねていましたとも。
そして鏡は「それは、王妃様あなた様でございます。」と答えるようになっていました。

ところが、ある日、王妃様が、いつものように鏡に尋ねると、
「それは、白雪姫様です。」と答えるではありませんか。
王妃様はビックリして、「私は王妃ですよ、もう白雪姫ではありません。」と鏡にいいました。

鏡は「だから、白雪姫様ですと言っているではありませんか。」と答えます。
王妃様は、ハットしました。
娘が子どもの時の自分にそっくりだったので、
みんなが白雪姫と呼んでいたからでした。
それは、白雪姫が7歳の誕生日を迎えたその日のことだったのです。

そして、それからどうなったかは、みなさんの方がよ~くご存じのことでしょうよ。
[PR]
by haru123fu | 2011-04-13 17:52 | 勉強中 | Comments(12)